6月1日の観察会の様子 ハチクが開花し枯れています
公開日:2024年06月03日 最終更新日:2024年06月03日
6月1日、人と自然の博物館主任研究員橋本佳延先生においでいただき、初夏のブイブイの森で会員対象の観察会を行いました。
GW頃に広場横のハチクが茶色く変色している事に気づきました。
まずは、竹について詳しく教えていただきました。ブイブイの森にはモウソウチク、マダケ、ハチクの藪がありますが、ハチクは局地的に分布しています。
先生によりますと、2017年頃からハチクの一斉開花・枯死が全国から報告されているとの事です。開花の周期は60年とも120年とも言われており、ハチクの花に出会えるのは大変珍しい事です。
竹はイネ科の植物で、鮮やか花を咲かせる事はありません。下の写真の緑の部分から雄しべがひょろひょろ出てくるようですが、残念ながらこの写真は花が終わった後の写真で雄しべは見られません。綿毛のような物は近くにあるヤナギの綿毛が引っかかっているようです。種子ができるの?出来た種子はどうやって運ばれるの?枯れた後は復活するんですか?など皆さんからの質問が殺到し、珍しい現象に興味津々です。分解して観察しましたが、結実はしていない様子でした。それでも家族に見せようと持ち帰る方もいました。
全国的にも開花後の結実は確認されておらず、多くは地下茎からの再生で復活はするようです。今年はタケノコが全く出ませんでしたが、今後の復活の様子を観察するのが楽しみです。
ハチクは枯れるとすぐに稈(カン・竹の茎)が硬くなってしまい、倒れる危険がある為伐採をした方がいいと他の森林ボランテイア団体の方からアドバイスがありました。
いずれ伐採をしますので、珍しい竹の花をご覧になりたい方は急いでください。広場の藤ヶ谷下池側で見られます。
竹で盛り上がって随分時間が過ぎてしまいましたが、その後散策をしながら初夏に見られる植物を紹介して頂き、その特徴や見分け方を目で見るだけでなく、葉を触った時の感触や匂いなど五感を使って学習していきました。
これは、クサギの葉の匂いを体験中。「臭い木」と言われていますが、その例えは人によって様々です。一般的には「米ぬか」の匂いと言われているようですが、
私は幼い頃に飲まされたスポイド付きの小さな瓶入りの液体「ビタミン剤」を思い出します。今の子ども達は米ぬかやビタミン剤と言ってもわからない為、シーフードヌードルのカップ麺や
塩味ポテトチップスの匂いだと言うようですね。匂いの思い出も時代によって変化します。
ネジキ(ツツジ科)の白い花が満開です。良い香りがあるのは知りませんでした。皆さんでクンクン嗅いでみました。
蚊取り線香の匂いが辺りに充満して分かりにくいという声もありました (笑)
同じツツジ科ブルーベリーの仲間、ナツハゼの小さな花。
咲き進むと白から黄色に変化するスイカズラの花。
この後も観察をしながら、守りたい里山の植物の為にはどのような整備を行えばよいかなどのアドバイスを頂き、時間はあっという間に過ぎていきました。
橋本先生、お忙しい中本当にありがとうございました。